骨粗鬆症
骨粗鬆症とは骨が脆くなり骨折しやすくなる病気です。
桃井かおりさんがテレビCMしてたのでご存知の方は多いと思います。
骨が脆くなると背骨の圧迫骨折だけでなく原因不明の痛みを引き起こすことがあるので注意が必要です。
骨粗鬆症が引き起こす不具合
脊柱圧迫骨折
まず有名なのが背骨の圧迫骨折です。
背骨自体が重力に耐えられなくなり潰れてしまう骨折です。
これは強い痛みがあるケースと気づかないケースがあります。
強い痛みがあるケースは転倒など衝撃が加わることで一気にグシャっと潰れた場合が多く、気づかないケースはいわゆる「いつも間にか骨折」で徐々に潰れていった場合が多いようです。
痛みが強く明らかな骨折の場合は身動きがとれないし、一定期間は体を起こしてはいけないので入院が必要になることもあります。
簡単に骨折
背骨に限らずちょっとしたことで骨折しやすくなります。
多いのが腕の付け根、足の付け根、手首などです。
昔、後ろを振り向いただけで足の付け根が折れた(大腿骨頚部骨折)、なんてケースがありました。恐ろしいいですね。
レントゲンで映らない骨折
レントゲンで全ての骨の状態がわかるわけではありません。
誰が見ても折れている完全骨折から不全骨折と言われるヒビ、肉眼で確認できないくらいのヒビ、骨膜下骨折と言われる見た目には折れてないけど実は中が折れている骨折もありレントゲンで映らない微細な骨折をいとも簡単にする可能性があるのです。
なぜ骨が脆くなるのか
骨の新陳代謝の異常
骨はそもそも新しい骨を作ると同時に古い骨を溶かして常に骨の入れ替えをしているのですが、そのバランスが崩れることによって骨がスカスカになってしまうのです。
閉経後の女性に多く高齢になればるほど罹患率は上がります。これは女性ホルモンには骨密度を一定に保つ作用があるからです。なのである意味自然なことで程度の問題と考えます。
また、骨には骨格として体を支える役割と、カルシウムの貯蔵庫という役割があります。人間の体にはカルシウムというのはとても重要で、一定のカルシウムが血液中にないと生きていけず、いざという時のために骨にカルシウムを貯蔵しているのです。だからカルシウム不足が続くと骨からカルシウムが溶け出して骨が脆くなるというわけなのです。
そのほかの要因
そのほかの要因として喫煙(女性ホルモンの減少を促進)、運動不足(運動によって骨を作る細胞が活性化する)、糖尿病(骨を作る細胞が減る)、腎臓病(骨からカルシウムが溶け出す)、遺伝などがあります。
もちろん食事も重要です。カルシウム不足だけでなくタンパク質、ビタミンD、ビタミンK、ビタミンBなどが不足も骨粗鬆症の原因になります。
薬物療法
骨粗鬆症の薬には大きく3つに分けられます。
骨が溶けるのを抑える薬
ビスホスホネート(点滴、飲み薬があり飲み薬の場合は空腹時に服用、30分から60分は横になることができません。副作用が多く、吐き気、胃痛、顎の骨の壊死があります)
デノスマブ(病院で注射、比較的重症の場合に使用)、
SERM(女性ホルモンに似た働きをしますが副作用として更年期障害が悪化する場合があります)と言われる薬です。
骨を作るのを促進する薬
副甲状腺ホルモンを週に一回病院で注射、または毎日自分で注射するタイプがあります。
骨密度がかなり低い場合に使われます。
骨の新陳代謝のバランスと整える薬
活性型ビタミンD3薬と言われるもので骨を溶かす作用を抑えつつ骨を作る作用を促進します。比較的副作用が少ないとされています。
予防方法
薬の力が必要な場合はあると思いますが基本、生活習慣の見直しが重要になります。
遺伝の場合は仕方ない部分もありますが、そうでない場合は今までの生活に問題があった結果です。
食事
当たり障りな言い方ですがなるべく添加物の入った加工食品は避け、バランスの良い食事を心がけてください。ただし、バランスを考えすぎて食事量が増えてしまうことは避けましょう。先にも書きましたが血糖が高くなると新しい骨を作りにくくなります。
運動
また、適度な運動は大事です。
運動による地面からの衝撃が骨を強くします。
積極的に運動が困難な高齢者の方は立位で足踏みだけでも効果があります。その際気をつけて欲しいことがつま先で着地すること。骨のためだけで言えば踵から着地した方が骨に刺激は入ります。しかし、運動学的に踵から着地を繰り返すとひざ痛や腰痛など様々な痛みを引き起こすことが分かっています。
まとめ
こんなこと書いたら怒られそうですが、、私個人の考え方として年に一回もX線検査する必要はないと考えます。以前、高齢者の医療の現場に携わっていましたが検査のたびに一喜一憂、去年よりちょこっとだけ改善してる、むしろ悪くなってる、やっぱり薬を続けましょうというケースが多く、検査をすることで骨密度が改善するならともかくマイナスなインプットが多いように思います。
骨粗鬆症と診断されたら、どう治療していくかお医者さん任せにせず、自分の体に責任を持って向きあうことが大事ではないでしょうか。